旅のかなたに

“旅”という言葉はいろいろな事に例えられます。 見知らぬ土地へ赴くのも“旅”。 何かを極めるのも“旅”。 時には人生そのものも“旅”と例えられたりもします。 “旅”の形は人それぞれ。 “旅”の意味も十人十色。 ここは私GIN〈ジン〉が 大好きな旅を中心に 自分の好きなものを まったり書いていくブログです。 よければゆっくりしていってね(^^)

最重要事項!「海軍カレー」と「海自カレー」の違い!!

 

横須賀、舞鶴、呉、佐世保、大湊。

日本に5ヵ所ある海上自衛隊基地の街に行くと必ずと言っていいほど「カレー」を宣伝する幟(のぼり)やポスターを見かけます。

 

「お、カレーか。美味しそうだな~」なんて思いながらいろんなカレーの宣伝幟やポスターを見ていると、次第にある違いに気付いてきます。それは商品によって海軍カレーという名前のものと「海自カレー」という名前のものがあること。特に横須賀では「海軍カレー」という名前を見かけることが多く、呉では「海自カレー」という名前を見かけることが多いです。

 

 

 

まぁ海自の前身は日本海軍だし、言い方の違いだけで海軍カレーも海自カレーも同じっしょ(*´з`)~♪

 

 

 

と思っているあなた。

さぁお勉強の時間ですよ!!!

 

 

海軍カレー」と「海自カレー」は似ているようで、実はその意味やルーツは全く違うんです!

 

たかがカレー、されどカレー。

その歴史や意味を知ることでより美味しくカレーをいただけるようになるのです( *´艸`)

 

今回は海自の街の名物「海軍カレー」と「海自カレー」の違いについて説明したいと思います。

最重要事項ですから、きっちり覚えてくださいね!!

 

 

 

 

 

【元は病気予防の健康食だった!?海軍カレー

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上の写真は全て海軍カレーです。

まずは海軍カレーについて説明していきましょう!

 

海軍カレーを知るには、まず日本でのカレーの歴史を知らなければなりません。

明治時代、日本海軍の中では脚気(かっけ)という病気(発症すると心不全による足のむくみや神経障害による足のしびれが起こり、最悪の場合死に至る)が大流行していました。この病気の原因はビタミンB1が不足すること。なので、ビタミンB1を効率よく摂取することができれば脚気を防ぐことができます。そこで注目されたのが、当時イギリス海軍で食べられていた「カレー」でした。(当時は「ライスカレー」という名で、カレー風味のシチューに小麦粉でとろみをつけ、それを麦飯にかけたものだったそうです)

カレーの提供が開始されると海軍内の脚気患者は見る見る減少。見事、脚気の撲滅に成功したのでした。

 

その後カレーは「海軍割烹術参考書」という本にレシピが記され、本格的に軍隊食として提供され始めます。“レシピ”というとなんだか軽い感じが出てしまいますが、この海軍割烹術参考書は言わば海軍食の規約本のようなもの。調理の手順や切った野菜の形や大きさまで細かく定められているんです。

 

そんな「海軍割烹術参考書」の軍隊食カレーを現代に復元、更に各店ごとに少しアレンジを加えて提供されているのが海軍カレーなのです!

“アレンジが加えられている”とは言っても海軍割烹術参考書のルールを厳しく守って調理されているので、十分に軍隊食カレーの味を楽しむことができます!

 

海軍カレーが有名な横須賀では「海軍割烹術参考書」のルールに加え、「提供時には必ずサラダと牛乳を付ける」 「認定を受けた店だけが“海軍カレー”の名称を使用できる」などのルールも定められています。

こうしたルールが守られているおかげで、どのお店に入っても安心して海軍カレーをいただくことができるわけですね(*´ω`)

 

 

 

 

 

自衛隊の食事に触れよう!海自カレー】

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続いて「海自カレー」について説明していきましょう!

 

先述の通り、日常的にカレーが提供されていた旧日本海軍。これは海上自衛隊になった現在でも変わりません。ただ、食料の保存技術や調理技術の向上で脚気のリスクが減った今では、脚気予防とはまた違った理由でカレーが食されるようになりました。

それは「曜日感覚を忘れないようにするため」です。

 

遠洋航海の任務などでは外の景色が全く変わらず、また決まった曜日に休みが取れるわけでもないので、曜日感覚がなくなってしまいます。これを防ぐために、海上自衛隊では“毎週金曜日にカレーを食べる習慣”が生まれました。

またご存知の通り、海上自衛隊はいろいろな艦艇を持っており、各艦艇ごとに調理場があり給養員(調理員)の方がいます。そのため、それぞれの艦艇で調理・提供されるカレーは給養員長(料理長)や給養員の方々のこだわりが詰まった各艦艇オリジナルのカレーになっていったのです。

 

そんな各艦艇で食べられているオリジナルカレーは自衛艦艇や海自の関係施設に立ち入ることのできない私たちでは、通常、口にすることはできません。。。

 

 

そこで!

 

 

地元のお店が各艦艇・海自施設で提供されているオリジナルカレーを忠実に再現、一般の私たちでもそのカレーを楽しめるようにしたのが「海自カレー」なのです!

しかも、海自カレーはその艦艇の艦長や給養員長に試食してもらい「艦内・施設内で出されているカレーと同じ味!」と認定を受けたものしか“海自カレー”として販売することを許されません。つまり、海自カレーは「海上自衛艦海上自衛隊施設で提供されているカレーと限りなく同じもの!」といっても過言ではないわけです(*≧▽≦*)

 

現在、海自カレーの数が最も多いのはなんと約30種類もの海自カレーを楽しむことができます!呉には何回も訪れている僕ですが、制覇への道はまだまだ長いです(;^_^A

 

 

 

 

 

【まとめ】

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海軍カレー

・昔、海軍で食べられていた健康食が元

・「海軍割烹術参考書」によって調理のルールが決められている

・各店のアレンジが加えられている

 

〔海自カレー〕

・各艦艇、海自施設で提供されているカレーを完全再現

・艦艇、海自施設ごとで全く異なるカレーが楽しめる

・艦長や給養員長からの認定を受けたものしか「海自カレー」として出せない

 

〔共通すること〕

めちゃくちゃ美味しい!!

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか。

 

海軍カレー」と「海自カレー」。同じカレーでもそのルーツや意味合いは全く違うんですね!それぞれに込められた特徴やこだわりを噛みしめながら食べるとより“通”なカレータイムになるのではないでしょうか。

 

とはいえ、1番大切なのは“美味しくいただくこと”。

この記事を読んで「ちょっと難しかった・・・」という方は、難しいことは考えずにまず一度、海自の街にカレーを食べに行ってみてはどうでしょうか?(*^-^*)

美味しくて楽しくて、きっと「海軍カレー」「海自カレー」に興味が湧くと思いますよ!

 

 

 

今回は「海軍カレー」と「海自カレー」の違いについてまとめてみました。

それぞれの特徴や意味、わかっていただけましたでしょうか。

 

どのカレーにもちゃんと個性があって、食べ続けても全然飽きないのが「海軍カレー」「海自カレー」の魅力です!(*^^*)

みなさんもぜひ、海自の街にカレーを食べに行ってみてくださいね!