黒壁とガラスの街 ~長浜市 黒壁スクエア~
ガラス。
生活の中の様々なものに使われていてとても身近な素材ですよね!
では突然ですが、”ガラス製の物”と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?
パッと出てくるのは窓ガラスやガラスの食器などではないでしょうか。
確かに、食器や窓ガラスは日常生活とは切っても切り離せない重要なものですよね。
ただ、一口に”ガラス”と言ってもその用途は様々。窓や家具など実用的な道具の素材として使われることもあれば、目にも鮮やかな工芸品の材料として使われることもあります。
ガラスの工芸品「ガラス細工」ですね!(*^^*)
今日の舞台は、我が故郷 滋賀県。
風情ある黒壁建築と美しいガラス細工が織り成す街並みが魅力の長浜市 黒壁スクエアを旅してみたいと思います!
京都駅からJR琵琶湖線 草津方面行きの新快速(急行)電車に乗車して1時間ちょっと。
JR長浜駅に到着です♪
ご覧の通り、めちゃくちゃ雪降ってます(笑)
それもそのはず、僕が長浜を訪れたのは2月。まさに冬の真っただ中でした。
しかも、長浜は滋賀県の中でも有数の豪雪地帯。
これでも雪が少ない方なんです。
では、さっそく歩いていきましょうか!
刺すような冷気に震えながら(笑)
※ちなみに・・・
これは長浜旅当日の僕の実家周辺の写真です。
長浜に比べたら全然南側なんですけど、雪すごかろ?(笑)
繰り返し言ってますが今回も言わせてください。
滋賀県は豪雪地帯!!
街を歩く前に駅の目の前にある「えきまちテラス長浜」に入ってみましょう!
長浜駅の改札を出て、そのまま繋がってる空中経路を渡ることで行けます。
ここにはちょっとおもしろいものがあるんですよ♪
そのちょっとおもしろいものがこれ!
「小さな水族館」です!
滋賀県の宝 琵琶湖に生息する生物たちが飼育されています。
”水族館”と名前が付いていますが、実際は建物のロビーの一角に水槽を置いて展示している小規模なものです。もちろん観覧するための料金などは要りません。
気軽にゆっくり見て回ることができます(*´ω`)
上で「小規模なもの」とは言いましたが、これが見ていて結構楽しいんです♪
滋賀県で生まれ育った人なら一度は名前を聞いたことある魚「ドンコ」や琵琶湖に古くから生息している「ナマズ」。滋賀県の郷土料理「鮒ずし」にも使われる「ニゴロブナ」。まさか「ウーパールーパー」まで琵琶湖にいるとは僕も知りませんでした(◎_◎;)
すげぇな琵琶湖!
水生生物を楽しく眺めながら琵琶湖の生態系についても知ることができる、本当に素敵な展示だと思います(^^)
寒っ!!と、ここで身体が震えます。
先程も言った通り、長浜は滋賀県有数の豪雪地帯。しかもこの日は雪まで降ってるんですから寒さもハンパじゃありません。建物内は暖房が入っているはずなのにそれでも寒い(((◎Д◎;)))
ちょっと近くのカフェに逃げ込んで暖まりましょう。
お邪魔したのは、先程の「えきまちテラス長浜」とも空中経路で繋がっている「伊吹山珈琲店」さんです。JR長浜駅から徒歩10秒!
ふかふかのソファーに腰を下ろして、看板メニューの「伊吹山ミルク珈琲」をゆっくりといただきます。あぁ、暖まる・・・(*´ `*)
このままずっとほっこりしていたくなりますが、そうもいきませんね!
身体が暖まったので旅再開です!
伊吹山珈琲店さんを出るころにはすっかり雪も止んで綺麗な冬晴れの空が広がっていました!
ところで「伊吹山ってどこの山?」と思った人いませんか?
「伊吹山」は滋賀県と岐阜県にまたがる山で、標高は1377m。山頂部分は滋賀県に位置していて、滋賀県の最高峰です。
もちろん、長浜駅前からもその雄大で綺麗な姿を見ることができます。
漫画家 かわぐちかいじ先生の『空母いぶき』という作品をご存知でしょうか?
この中に出てくる架空の航空機搭載型護衛艦(航空母艦)「DDV-192 いぶき」は、戦時中、建造が進められるも未完成のまま終戦を迎えた幻の航空母艦 伊吹(こちらは実在した艦)にちなんで命名されたのですが、その航空母艦 伊吹の由来となった山がこの「伊吹山」なんです。
そう考えるとちょっとすごいでしょ?(*^^*)
完成しなかったとはいえ実在した航空母艦 伊吹。
いつか艦これに実装してくれないかな~と密かに願っています(*´ω`*)
では、いよいよ長浜の街を歩いていきましょうか!
先程のJR長浜駅やえきまちテラス長浜の建物を見てもらうとわかる通り、駅周辺の景観はかなり綺麗に整備されています。なので、一見風情のある街並みなんて全く無いように思ってしまうのですが・・・。
ご安心ください!(^^)
少し歩いて路地を曲がるとそこはもう風情溢れる素敵な小路です♪
ここは「黒壁スクエア」というエリア。
滋賀の中でも屈指の観光スポットなんです(*´ω`)
白塗りの蔵に黒壁の建物。それに石畳の道。
駅前の整備された街並みとはまるで別世界のノスタルジックな空間が広がっています♪
と、ここでひとつ疑問が浮かびます。
なぜ長浜にはこのような古い建物がたくさん残されているのでしょうか?
浅井長政を倒した羽柴秀吉(豊臣秀吉)は、その功績により織田信長から長浜の地を与えられます。秀吉はこの地に「長浜城」を築城し、長浜は城下町として発展していきました。その活気は安土桃山時代以降も衰えることはなく、江戸時代には大通寺の門前町や北国海道の宿場町として、以後長きにわたって栄え続けました。
秀吉の築城から寂れることなく栄え続けたからこそ、今なお古い建物がたくさん残されているんですね!
木造や土壁の建物が広がる黒壁スクエア。
歩いていると古き良き風情を存分に味わうことができるのですが、ここの魅力はなにも「古い」ということだけではありません。
先程も言った通り、黒壁スクエアは滋賀県屈指の観光地!
街の中を歩いていると、古い建物をリノベーションした様々なお店を見つけることができます。
お土産物屋やお食事処はもちろん、画廊、雑貨屋、ご当地和菓子のお店など観光客を意識した綺麗なお店がずらり!若い女性やカップルをターゲットにしているのか、開放的で写真映えしそうなオシャレなカフェもたくさんありました!(実際、カップルめちゃくちゃ多かったです)
様々なお店が建ち並ぶこのエリア。
観光地らしい賑やかな雰囲気を楽しみながら歩いていると、突如異彩を放つお店が姿を現します。見つけた瞬間「ファッ!?」と声をあげてしまうお店。
それがこちら!
なぜ長浜に海洋堂なのか。それは僕にもわかりませんw
でも、思わず足を止めてしまう存在感ですよね!
3枚目の写真。タイトルは「女神様三重奏」。
”女神様”としか書かれてませんが、どう見ても漫画『ああっ女神さまっ』のウルド、スクルド、ベルダンディーやないかっ(;゚Д゚)
懐かしいww
もしかしたらここは長浜のディープスポット的な場所なのかもしれませんね(笑)
いろいろ歩き回って街の雰囲気にも慣れてきた頃。
ふと、あちらこちらに素敵な輝きがあることに気付きます。
街の雰囲気に溶け込むように、でもそれでいて目を引いてしまうほど美しいもの。
ガラス細工です(*^^*)
長浜は”ガラスの街”。
目を凝らして見てみると、街のいろんなところにガラス細工を見つけることができます。
ここからは、ガラス細工に注目しながら街を回ってみましょうか(*^▽^*)
通りを歩いていると、こんな可愛いガラス細工の品々もたくさん展示されています!
朝方降っていた雪の名残の水滴がキラキラ煌めいて綺麗ですよね(*´▽`*)
こうしたガラス細工制作を体験できるところもあるようで、「ガラス細工体験」や「ガラス細工を使った小物作り体験」といった看板もちらほら見かけました。
長浜を訪れた際は、記念に体験してみてもいいかもしれませんね!
もちろん、体験教室とは別に完成品のガラス細工を扱ったお店もたくさんあります。
お土産に、自分用に、長浜のガラス細工は外せません(*≧ω≦*)
ガラス”細工”と言えるかどうかはわかりませんが、こんなものもありました。
ガラス製のベンチ!
ガラス製ではありますが、かなり重厚で強度があることは見た目からも伝わってきますね(;^ω^)
でも、光を受けて透き通るその様は見た目の重厚さに反してとても繊細で神秘的です。
思わず見ていてため息が漏れてしまいます。美しい。。。
続いて、長浜にある意外と知られていない(というか、滋賀県民にも知られていない(;´Д`))日本一のものへとご案内しましょう!
写真右端の反転した「タピオカ」の幟も気になりますが、それはまぁ置いといて(笑)
ご案内するのはこちら!
日本一の万華鏡です!!
万華鏡。
手のひらサイズで円柱状の形をしていて、光を通して片方の覗き穴から覗くと中に入れられた色紙やビーズなどがキラキラと煌めいてとても綺麗な、みなさんもよくご存知のアレです。
その万華鏡が、日本一・・・。
全く想像がつきませんね。。。
とにかく行ってみましょうか!
案内された通りに進んでいくと、通りから少し外れた小道に入っていきます。
表の看板に「フリーマーケットガーデン」とも書かれていたので、普段は道の両側の空いたスペースなどを利用してフリーマーケットが開かれているのでしょう。
この日は開催日ではなかったのか、それとも訪れた時間が悪かったのか、がらんとしていて僕の他には誰もいませんでした。
とはいえ、これはこれでなかなかいい雰囲気。
まるで不思議の国のアリスのように不思議の世界へ誘われているようで冒険心をくすぐられます( *´艸`)♪
そうして奥へ進むと、ドーンッ!と建った白い塔が見えてきました。
そう、これが日本一の万華鏡。
長浜の「日本一 竪型万華鏡」です!!
とは言うものの、頭は完全に置いてけぼりになります。
「これが・・・万華鏡?」
手に持って覗き込む万華鏡のイメージとは掛け離れすぎていて全く意味がわかりません(;・∀・)どうやって使うのでしょうか?
混乱した頭も使い方を知ってみれば「ああ、なるほどね!」と落ち着くものです。
まず、この万華鏡は手に持つものではありません。(当たり前ですが・・・(;^_^A)
手に持って覗き込む代わりに、万華鏡の中に入ってしまうんです。
写真下側「日本一 竪型万華鏡」のプレートが掛けられているところから万華鏡(塔)の中に入り、上を見上げます。すると塔の内部、上方に向かって鏡の三角筒が作られていて、その先に万華鏡の絵柄となるガラス細工で作られたプレートが設置されています。
塔内部に入って上を見上げると、天から降り注ぐ自然光を利用して頭上に万華鏡の世界が広がる、という仕組みなんです。
では、メカニズムがわかったところで日本一の竪型万華鏡を体験してみましょう♪
これが、竪型万華鏡の中に入って頭上を見上げた時に見える光景です!
おお、綺麗・・・(*´Д`)
雪が止んで晴天になったのが幸いしました。
冬のやわらかな光が反射してめちゃくちゃ美しいです。
ふと、横を見ると丸いハンドルが設置されていました。
これをゆっくりと回すと・・・。
なんと、絵柄が変わるんです!
これぞ万華鏡!!
最初に載せた竪型万華鏡の全体像を見てもらうとわかると思うのですが、万華鏡の先に設置されたガラス細工のプレートは1枚ではなく、数枚のプレートが放射状に並べられて設置されています。ハンドルを回すとこのプレート群がプロペラのように回転し、万華鏡の絵柄を変えていく、という仕組みなんです。
手に持って覗き込む万華鏡もいいですが、ここまで大きい万華鏡を楽しめる感動は他に変えがたいものがあります!
長浜を訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください(*≧▽≦*)
こんな素敵なスポット、長浜市ももっとプッシュすればいいのに・・・(*´з`)
お腹減った!ということで、ご飯食べてから帰りましょうか(*^^*)
お邪魔したのは黒壁スクエアの中にある「そば八」さん。
お店の佇まいからして風情があって素敵ですよね!
お店の人気No.1メニュー「十六文」をいただきました!
見ての通り5種類のおそばを楽しめます♪
硬すぎず柔らかすぎない絶妙な歯触りのおそばは噛めば噛むほど風味が増して絶品です!5種類のおそばを順番に完食していくもよし、それぞれ少しずつ食べ進めていくもよし。違った味を贅沢に楽しめて飽きの来ないおそばでした(*´ `)♪
ごちそうさまでした!
ところで余談ですが、「十六文って不思議な名前・・・」と思った方もいるのではないでしょうか。
このメニュー名は、江戸時代の二八そば(うどん粉とそば粉の割合を2:8で作ったそば)が1杯16文だったことに由来しています。
落語が好きな方ならご存知かもしれませんが、「1杯16文のそば」をもとにした「時そば」という演目が有名ですよね!「おう、今何時でい?」ってやつです(*^^*)
面白い話なので、ご興味ある方はぜひ調べてみてください♪
帰る前に、個人的にめちゃくちゃ興奮した場所をご紹介しましょう!
琵琶湖岸に設置された何の変哲もない看板です。しかし、滋賀県出身者なら「湖の子(うみのこ)」という文字に「懐かしぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」と感涙するはずっ!!
滋賀県の小学校に通う子供たちは、5年生になると専用の学習船「うみのこ」に乗り、琵琶湖の湖上で1泊2日の郷土学習を行う「フローティングスクール」に参加します。(もちろん僕も参加しました♪)
そこで琵琶湖の水質や生息する生物、郷土史、船内での集団生活についてみっちり学習・体験するのですが、さすがに夜間の航行はできないので、夜になるとうみのこは港に繋留されます。その繋留地がココなのです!!
そういえば、フローティングスクールのとき渡されたしおりに『夜:長浜に停泊』みたいなことが書かれていたのですが、停泊したからといって下船できるわけではなかったですし、その当時僕はやんちゃな小学5年生、夜は激しい枕投げに明け暮れ(笑)船が今どこに停泊しているかなんて全く興味ありませんでしたからね(;^_^A
こうして約20年ぶりに「あの時俺はここに居たのか・・・」と知ることができたわけです。嗚呼、懐かしい。。。感慨深い。。。
僕が乗船した初代 うみのこは2018年に引退し、今は2代目 うみのこでフローティングスクールを行っているそうです。小学5年生の子供たちにとっては、今も昔も琵琶湖は学びの場なんですね(*^^*)
大きく羽ばたけ、滋賀の子供たち!!
いかがだったでしょうか。
「滋賀県には琵琶湖しかない」とよく言われますが(実際、僕もよく言ってますが・・・(;^_^A)本当は素敵なところもたくさんあるんです♪
綺麗だったでしょ?(^_-)-☆
僕も今回の旅で生まれ育った滋賀県の魅力を再発見することができました!
まだまだ捨てたもんじゃないぜ、滋賀県!!
そして情緒溢れる黒壁と美しいガラス細工に彩られた、湖国の北の街。
みなさんもぜひ訪れてみてくださいね!