海自艦艇をキミの手に!(護衛艦ペーパークラフト作ってみました)
ある休日の午後。
僕は深いため息をつき、自室の天井を仰ぎ見ました。
「・・・なんだかなぁ。」
思わず言葉が漏れます。
外出自粛が叫ばれる昨今。休日であっても1日自宅で過ごすことが多くなってしまいました。
幸い僕の場合、アニメやゲームといった室内の趣味もあるので「何もすることが無い」という事態にはならないのですが、それでもアニメやゲームだけの休日ばかりが続くと、しだいに「他のことしたいな・・・。」とあれこれ考え始めてしまうのです。
普段とは違うことがしたい。
何かないだろうか。アニメやゲーム以外で、家の中でできる、普段とは違うこと・・・。
そして僕は唐突にひらめきます。
・・・という三文芝居は置いといて(笑)
みなさんは海上自衛隊 大湊地方隊のホームページで護衛艦や航空機などのペーパークラフトがダウンロードできることをご存知でしょうか。
今回は護衛艦のペーパークラフトをちょっぴり気合入れて作成してみましたので、その様子をまとめてみたいと思います(*^^*)
まずは、海上自衛隊 大湊地方隊のホームページにアクセスしてペーパークラフトをダウンロードします。
大湊基地所属の艦艇はもちろん、他の基地に所属する艦艇もたくさん掲載されていました。艦艇だけではありません。中には海自所属の航空機や海自正帽までありました!
どれを作ろうか目移りしてしまいますね(*´Д`)
(※海上自衛隊 大湊地方隊ホームページへのリンクはこの記事の最後に載せておきます)
あれこれ悩みましたが、やっぱり1番好きな艦艇を選びました。
「DDG-175 みょうこう」!!
こちらのペーパークラフトはPDFファイルとなります。
自宅にプリンターがあればそのままプリントアウトできるのですが、僕はそんな文明の利器持ってないので、いったんUSBフラッシュメモリに保存して、近くのコンビニでプリントアウトしました。
そしてこちらがプリントアウトしたペーパークラフトと組立説明図。
大きさはB4サイズでプリントアウトしました!
ここで注意したいのが、ちょっとお金はかかるけどカラーでプリントアウトすること!じゃないと白黒の護衛艦になっちゃう(笑)
今気付いたけど、組立説明図は別にB4じゃなくてもよかったなw
作成するうえで準備したものがこちら。
・のり
・ものさし
・カッター
・はさみ
・画用紙
画用紙は100円ショップで売ってるもので大丈夫です。
準備が整ったのでいよいよ作成開始です!
気合入れていきますよ!!
では、組立説明図に従ってパーツを切り取って・・・の前にペーパークラフトの紙をそのまま画用紙に貼り付けます。
これは各パーツに厚みをつけるため。
もちろんペラペラのプリンター用紙のまま組み立ててもいいのですが、やはりそれでは強度的に不安が残るのでこうしてひと手間加えて補強します。
ちょっと雑っぽくなってしまいますが、のりはできる限り紙全体に厚くべっとりと塗り付けます。そうしないと、この後パーツを切り取った時にプリンター用紙と画用紙がペロっと剥がれてしまう可能性があるからです。
焦ってのり付けすると誤って紙をぐしゃっ!としてしまう危険があるので、なるべく丁寧に塗りましょう。
たっぷりのり付けしたプリンター用紙を画用紙に貼り付けたら、柔らかい布やティッシュペーパーなどでこすってしわを伸ばしていきます。
このとき、紙の中心から外側に向けてこするのがコツ。プリンター用紙と画用紙の間に入った空気を外に押し出すようなイメージで優しくこすっていきます。
そうして出来上がった「ペーパークラフト 画用紙Plus」!
ちょっとしわが残った部分もあるけど、まぁ細かいことは気にしない(笑)
じゃあ今度こそパーツ切ってくか!という気持ちになってしまいそうですがちょい待ち!
ここから最低でも丸一日は乾燥させましょう。
接着が不十分だとパーツを切り出したり組み付けたりするときにプリンター用紙と画用紙が剥がれて分離したりずれてしまったりしてしまう可能性があります。
普通に乾燥させるとのりの水分で紙が曲がってしまうので、できるだけ平らな状態にして乾燥させます。
今回は画用紙が入っていた袋に入れ、重石として今はもう使っていない僕の旧ノートパソコンを上に乗せておくことにしました。
※ちょうどよかったので組立説明図も無くさないように一緒に入れておきました(笑)
そして数日後・・・
完全乾燥完了!
ぴったりと綺麗に貼りついてくれました。
心なしか細かいしわも伸びてる?
さぁいよいよ本格的に作成していきますよ!
よろしく頼むぞ相棒たち!!
組立説明図を確認しながらパーツを切り出していきます。
曲線部分はフリーハンドになりますが、直線部分はものさしを使いつつ刃を入れていきます。切断線が波打ってしまわないように慎重に慎重に。
地味な作業ですが、ここを疎かにしてしまうと完成後の見た目が大きく崩れてしまうことさえあるので決して気を抜けない作業です。
あと、身近なツールと言えどカッターやはさみも立派な刃物。
取り扱いには十分注意しましょう。
単純に輪郭に沿って切っていけばいい、というものでもないようです。
写真では少しわかりづらいですが、赤い線が入った場所は切り込みを入れるよう指示されています。
そんなこんなで甲板部分のパーツを切り出せました!
こうやって切り出したパーツの写真撮ると「ペーパークラフト作ってる!」って説得力が増しますね(笑)
切り出したパーツを折り線に従って折っていきます。
このとき、焦って一気に折り進めてしまわないように要注意。
今回の場合、画用紙を貼って厚みを持たせている分折りづらくなっています。一気に折ろうとすると変に力が加わって思わぬところに折り目がついてしまうことも!
少しずつ曲げるようにして折っていくのがコツです(^^)
無事に折れたらのり付けしていきましょう。
場所によってはのりしろが小さいので、綿棒(の綿部分を切り飛ばしたもの)でのりを掬い取ってのり付けしていくことにしました。
ここで緊急事態発生!!
画用紙を貼り付けて厚みを持たせている分”紙がまっすぐに戻ろうとする力(弾性)”が強すぎてのりが硬化するまでに剥がれてしまう( ;∀;)
プラモデルとかだったら輪ゴムで縛ったりとか洗濯ばさみで固定したりとかセロハンテープで仮留めしたりとかできるんだけど、これ紙だしなぁ・・・。
やっぱり強力・速乾な接着剤が必要か。。。
と、いうわけで準備しました。
強力・速乾接着剤の代名詞「アロンアルファ」!!
接着剤が紙に染み込んでいってしまうのを防ぐためにゼリー状のものを選択しました。
ペーパークラフト作るのに瞬間接着剤使うなんてなんだか負けた気がしなくもないけど、これも護衛艦みょうこうを完成させるため!割り切って作業を再開です!!
接着アクシデントを乗り越え、なんとか甲板パーツが完成!
なんかもうこれだけでも立派に見えてくる(涙)
とはいえ、制作はまだまだ始まったばかり。
他のパーツもガンガン作っていきます(`・ω・´)!
大小様々なパーツがありますが、基本的にはこれまでに紹介した手順の繰り返し。
切って、折って、貼り付ける。
地味で単調な作業ですが、平面の紙から立体物が出来上がっていく様子を見るのは気持ちがいいものです(*´ω`)
中には「これどこのパーツ?」と思ってしまうようなものも。
艦のどの部分のパーツなのか予想しながら作成していくのも楽しいですよね!
こちらは後部甲板。
各パーツの中で一番簡単に作れたかも(笑)
切って折っただけで完成ですw
こちらはなんでしょう?
護衛艦に詳しい方ならピンときたかもしれませんが、これは主砲「127ミリ単装速射砲」。艦の前部甲板に装備されてる艤装(艦船の装備のこと)ですね!
細かいディテールまでちゃんと表現されています!すごい!
ちなみにこちらめっちゃ小さいです。
横に置いてる指は僕の小指。
小指の爪くらいの大きさしかありません。
制作に夢中になって無くさないように気を付けましょう(;・∀・)
余談ですが、127ミリ単装速射砲の形ってスター・ウォーズに出てくる「スカウト・ウォーカー」の頭の形に似てません?(笑)
気になる人は「スカウト・ウォーカー」で検索検索ぅ♪
では、こちらはなんでしょーかっ?
ヒント、これも艤装のひとつです。
デフォルメされているので棒が2本立ってるように見えますが、本物は3本だったりします。
答えは、艦対艦ミサイル「ハープーン」発射筒でした!
これもちっちゃい(;^_^A
でも、こんなに小さくてもしっかりとハープーンっぽい角度で作り上げられるようになってるんですね!感動です(*≧ω≦*)
では、超難問!
これはなんでしょうか?(笑)
これも艤装です。
艦の前方と後方に装備されています。
答えは、「高性能20ミリ機関砲」通称「ファランクス」の砲身部分でした!
「わかるか!」ってツッコミが聞こえてきそうですが(笑)
これも結構デフォルメされていますが、それでもちゃんとファランクスに見えますよね!このペーパークラフトを設計された方(海自の自衛官の方だそうです)本当にすごいです!!
これ完成後に気付いたことなんですが、実はこのファランクス作り方間違ってます(爆)
まぁちゃんとファランクスに見えるからよしとしようかw
艦本体の制作も進めましょう!
艤装だけでなく本体のディテールも非常に細かいところまで表現されていて本当に感動します。上から艦橋、前部煙突、後部煙突、内火艇。
まさか内火艇まであるとは・・・。恐れ入りました(;・∀・)
最初、アロンアルファを用意したとき「ペーパークラフト作るのに瞬間接着剤使うなんてなんだか負けた気がする」なんて思ってましたが、結局ここまでの作業を思い返すとアロンアルファに助けられたものばかり。実際アロンアルファ無双でした。
もしかしたら瞬間接着剤は必須ツールなのかもしれません。
細かく難しい作業も多く苦戦する時間も決して少なくありませんでしたが、なんとか各パーツの切り出し・組み上げを終えることができました!
ここまで来たならあと一息!
組み上げたパーツどうしを接着して乾燥させたら完成です!!
そうして完成したのがこちら!
「DDG-175 みょうこう」!!
全長は約30cm。本物のみょうこうは全長161m(16100cm)なので、約1/535スケールといったところでしょうか。(B4サイズでプリントアウトした場合)
画用紙を貼り付けて厚みをつけたおかげでペーパークラフトながらかなり頑丈に組み上がってくれました!
自分で言うのもアレですが、めちゃくちゃカッコよくないですか!?
艦橋やマスト、艦後方の煙突も非常に細かいところまで表現されているのでとても見応えがあります。(その分作るの大変だったけどw)
イージス艦の証である「イージスシステム」のフェーズド・アレイ・レーダー(艦側面に付いてる八角形の板)も存在感があってカッコいいです( *´艸`)
艦前部には、制作過程で紹介した「127ミリ単装速射砲」に「高性能20ミリ機関砲(ファランクス)」。ファランクスの下には「VLS(垂直発射装置)」もしっかり表現されています。
左右両舷には、艦対艦ミサイル「ハープーン」の発射筒や「内火艇」。
内火艇に関しては収容ハンガーに掛かった状態が再現されているのが非常に素晴らしいです!(本当はもっと艦体側に引っ込んでないといけないんだけど、紙の弾性的にこれが限界でしたw)
艦尾には「みょうこう」の文字。
そして、艦首には主錨まで表現されています!
主錨切り出すのめちゃくちゃ苦労しましたw
完成したみょうこうを見てると惚れ惚れしてしまいます(*´Д`)
マジでかっこいいよぉ。。。
正直言うと、最初はあまり期待していませんでした。
無料でダウンロードできるペーパークラフトだからまぁクオリティーはお察しかなぁ、と。それが実際作ってみると、ここまでカッコよく表現されているなんて!!
本当に、いい意味で期待を裏切られるペーパークラフトでした(*^^*)
途中、のりの乾燥のために数日置きましたが、全体的な制作時間は約6時間ほど。
キットとしての難易度は、はっきり言って”高い”と思います。
僕自身、プラモデルなどを作るのが好きで手先は器用な方だと自負していますが、それでも苦戦する場面は結構多かったです。
難易度は高い!でもクオリティーも高い!!
そんなキットがこのペーパークラフトではないでしょうか(^^)
「護衛艦ペーパークラフト作りたい。でも難しいのはムリ・・・。」
中にはそういう方もいらっしゃると思います。
ご安心ください!
艦によっては簡易版のペーパークラフトも掲載されています!
もうパーツの数からして全然違うww
せっかくなので、こちらのペーパークラフトも全く同じ手順で作成してみました。
パーツ数が少ないので光の如く作業が進んでいきますw
こちらは約1時間で完成させることができました。さすが簡易版!
こちらが完成した簡易版みょうこう。
先程のハイクオリティーなみょうこうを見てしまってる分、どうしても物足りなく感じてしまいますが、これはこれで可愛くて味があるのではないでしょうか(*^^*)
それにむしろ”ペーパークラフト”っていったらこれくらいデフォルメされているのが普通なようにも思います。さっきのがハイクオリティー過ぎたんですよきっとw
艦尾には「みょうこう」の文字。
シンプルですが護衛艦の雰囲気はしっかり出ているのではないでしょうか。
ただ、こちらのキットはひとつひとつのパーツが大きい分、画用紙で持たせた厚みが妨げとなってしまい、紙がうまく回り込みきらないところもちらほら見受けられました。
場所によっては「のりしろ」が見えてしまってるところも(笑)
簡易版の場合は画用紙を貼り付けず、プリンター用紙のまま作成した方がうまくいくかもしれません。
難しい方のみょうこうとは対照的に、こちらは「簡単で時間がかからない」ということが魅力のペーパークラフトなのではないでしょうか(^^)
キットの紙にも「おきらくペーパークラフト」って書いてますしね!
”難しいけどハイクオリティーなみょうこう”と”簡単で気軽に作れるみょうこう”。
制作時間や難易度は違いますが、どちらも変わらないのは完成したときの感動です(*^▽^*)
感動と達成感の大きさは市販のプラモデルを作り上げたときと全く遜色ありません!
先程ちらっとお話ししましたが、最初はあまり期待してなかったこちらのペーパークラフト。今では他のプラモデルと同じように大切に部屋に飾ってます(*^^*)
これから梅雨の時期にも入り、家で過ごす時間が増えるかもしれません。
そんなときにはぜひ大湊地方隊のホームページにアクセスしてみてください。
あなたのお家にお迎えできる艦艇・航空機があるかもしれませんよ?(*^-^*)