旅のかなたに

“旅”という言葉はいろいろな事に例えられます。 見知らぬ土地へ赴くのも“旅”。 何かを極めるのも“旅”。 時には人生そのものも“旅”と例えられたりもします。 “旅”の形は人それぞれ。 “旅”の意味も十人十色。 ここは私GIN〈ジン〉が 大好きな旅を中心に 自分の好きなものを まったり書いていくブログです。 よければゆっくりしていってね(^^)

暁の水平線に勝利を刻め!≪北の防人 大湊警備府≫ ~青森県 むつ市 大湊~

 

1886年(明治19年)に制定された「海軍条例」に基づき日本に設置された4つの鎮守府横須賀鎮守府舞鶴鎮守府、呉鎮守府佐世保鎮守府

 

これらの鎮守府は戦後、旧日本海軍海上自衛隊となった後もそれぞれが”海上自衛隊の主要基地”として編成され、今もなお私たちの生活を護ってくれています。

 

大人気の艦隊育成ゲーム艦隊これくしょん‐艦これ‐」の中でもサーバー名に各鎮守府の名前が割り当てられていて人気を集めていますよね!

 

 

 

ところで

戦時中、日本周辺の海域を護るために、上記の4鎮守府に加えもう1ヵ所重要な海軍港が置かれていたことをご存知でしょうか?

そういえば、旧日本海軍鎮守府は4ヵ所ですが、海上自衛隊の主要基地はそれよりも1ヵ所多い全5ヵ所となっていますね。。。

 

 

 

今回の旅はその残る1ヵ所が舞台。

北の防人「大湊警備府」が置かれた町、青森県 大湊を旅していきたいと思います!

もちろん、今回も僕らしく「艦これ」を絡めつつ紹介していきますのでご安心(?)くださいね(*^^*)

 

 

では、大湊に向けて出発しましょう!

艦隊、抜錨!!

 

 

 

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青森県野辺地駅からJR大湊線に乗車し、ゆったりと電車に揺られながら下北半島を進むこと約1時間。JR大湊線の終着駅大湊駅に到着です!

 

 

駅舎の玄関口には”てっぺんの終着駅 大湊駅と書かれた看板が掲げられています。

 

「単純に”(本州)最北端”って書いちゃダメなの?」と思ったあなた・・・。

 

 

いい質問ですね!!

 

 

JR大湊線下北駅を発車後すぐに路線が「へ」の字に曲がり、その後終着駅の大湊駅に到着します。下北駅が「へ」の字のてっぺん部分に位置し、大湊駅が「へ」の字の書き出し部分に位置すると考えてもらうとイメージしやすいでしょうか。

つまり、大湊駅は緯度的に言うと下北駅よりも若干南に位置しているんです。そのため”最北端”は名乗れないので、”てっぺんの終着駅”というフレーズになってるんですね。

 

・・・もう何というかドンマイとしか言いようがないww

 

 

 

駅前は”落ち着いた田舎町そのもの”といった雰囲気で、正直「あれ?海自は?(;・∀・)」と不安になってしまうほど(笑)

 

 

大湊駅から海上自衛隊 大湊地方隊までは少し離れています。距離にして約4kmほど。

駅前からタクシーに乗って大湊基地へ向かう人もいますが、僕にとっては4kmなんて”近場”でしかありません。当たり前のように歩いて向かいます。

 

大湊駅から大湊基地までの海沿いの道って歩いてるとめちゃくちゃ気持ちいいんです!

それに、歩いて行くからこそのお楽しみもあるんですよ(*^^*)

 

 

 

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大湊駅から大湊基地まで海沿いの道が続いています。(地元では「下道」と呼ばれているそうです。)

”遊歩道”と言えるほどのものではないかもしれませんが、”地元の方の散歩道”と言った雰囲気の道です。目の前に広がる陸奥湾を眺めながらのんびりと歩ける素敵なスポットです(*´ω`)

 

陸奥湾を背にして陸側を見上げると、なだらかに「釜臥山(かまふせやま)が広がっています。僕が大湊を訪れたのは7月。夏の大きな晴れ空に映える釜臥山の緑がとても綺麗ですね(*^_^*)

 

道中で出会った猫ちゃんとも遊びつつ歩を進めます♪

 

 

 

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歩いていると、町のいたるところで水が流れ出ている場所を見かけます。

 

実は、大湊は日本有数の”湧水地”なんです!

釜臥山が蓄えた雪解け水や雨水が地下水となって湧き出ているのだそう。

 

場所によってはコップが備え付けてあり誰でも自由に水を飲めるようになっています。

先程言った”歩いて行くからこそのお楽しみ”とはこのこと!

一点の濁りもない澄みきった湧き水はひんやり冷たくて、口に含むと”飲む”というよりもまるで”身体に染み渡っていく”かのよう( *´艸`)

 

穏やかに広がる陸奥湾や青空に映える釜臥山を眺めながらいただく湧き水は最高のごちそうです(≧ω≦)!

 

 

 

大湊の町に数ヵ所ある湧水群は「大湊天然水巡礼」として巡礼マップも作成されています↓↓

【PDFファイル】

https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/shoko/mu-gisen/files/map.pdf

(「ものづくりでまちづくり実行委員会事務局-青森県立むつ高等技術専門校」さんより引用)

 

 

 

ジョギングの給水所としてこの湧水所を利用されている方もちらほら見かけました。

海上自衛隊の方でしょうか(^^)

 

 

 

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海沿いの景色や湧水を楽しみながら歩くこと十数分。

いよいよ護衛艦の艦影が見えてきました!

沿岸に建つ民家と比べて見てみると、いかに護衛艦が大きいかがわかりますね!

 

 

 

では、そろそろ大湊警備府のことも詳しくお話ししましょうか♪

 

既に疑問に思った方も多いと思いますが、戦時中、大湊に置かれたのは鎮守府」ではなく「警備府」という海軍港なんです。

「警備府」とは、海軍規模の拡大に伴い、鎮守府の諸業務を分掌させるために要港部を改組し、より権限を拡大したもののことをいいます。

わかりやすく言うと、”主に鎮守府のサポートをする海軍港”のこと。

 

グレードとしては”鎮守府”のひとつ下となりますが、大湊警備府には水雷艇などが配備され、千島方面への防備強化、艦隊の後方支援、海上護衛などの任務に従事したそうです。戦後、旧日本海軍海上自衛隊となったあとは、他の4鎮守府と同様に海自主要基地(地方隊)として編成され、今日まで北方の海の安全を護り続けてくれています。

 

警備府が由来ではありますが、海自地方隊としての地位は他の4基地と同等のため、そういう意味では実質鎮守府へと昇格した”と言えますね(^^)

 

 

 

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そうこう話してるうちに大湊基地が近付いてきました。

 

そこで見てほしいのがこの写真!

大湊を訪れて僕が一番たまげた風景です!

何か気付くことはありませんか??

 

 

 

 

海上において、民間エリアと海自エリアを区切る仕切りが一切無いんです!!

 

 

 

 

他の海自基地を訪れたことのある方ならなんとなくイメージできるかもしれませんが、いくら海自基地が”気軽に訪れることができる場所”とはいえ、そこは軍事機密の塊。地上であろうと海上であろうと、民間エリアと海自エリアの間には何かしらの仕切りや囲いがあるのは当然のことです。

 

しかし、上の写真のように大湊は海上に民間エリアと海自エリアを隔てる仕切りが無いんです!ぶっちゃけ、行こうと思えばここからボートに乗って護衛艦に近付くこともできてしまいます。(もちろん、そんなことをしたら罪に問われるので本当にしちゃダメだよ!)

 

 

こんな風景が見られるのは日本中でも大湊だけではないでしょうか。

大湊に住む方々にとって海上自衛隊がいかに身近な存在であるかを物語っているようです。

 

 

 

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ついに大湊基地に到着しました!!

 

護衛艦3隻が出迎えてくれました!

左から「114 すずなみ」「120 しらぬい」「103 ゆうだち」です!!

「120 しらぬい」は2019年2月に就役したばかり!ピカピカです(´▽`*)

 

 

ちなみに艦これにも駆逐艦 不知火」駆逐艦 夕立」がいますね!

不知火と夕立。艦これではなかなか見かけない組み合わせですが、いったい何をお話ししてるのでしょうか?( *´艸`)

 

不知火「不知火に何か落ち度でも?」

夕立「ぽいぽい」

 

 

 

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ちなみにこの場所、自衛隊桟橋近くの空き地(宇田児童公園の前)になります。

ネット上で「多目的スペース」や「多目的公園」と呼ばれているのを目にしたことはありますが、どうやら場所としての正式名称は無いようです。

 

この場所、仕切りや鉄柵無しで護衛艦をこんなに近くで見られるのに、なんと民間のスペースなんです!!

 

立ち入るのに許可や申請は一切要りません!いつでも自由に立ち入って好きなだけ護衛艦を眺められるんです!すげぇよヤバイよ!!!

 

 

 

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時間によって閉鎖されることもないので(※)、こんな夜闇の中の護衛艦も撮ることができます!

(※)冬場は終日閉鎖されることもあるようです。

 

夜間、ここまで近距離で護衛艦を撮影できるのは、本当に日本中で大湊だけだと思います!

大湊に住む方々にとっては日常の光景かもしれませんが、他所から来た海自好きにとってはこの上ない貴重な瞬間!!興奮が止まりませんでした!!

 

 

 

[注意]

夜間、撮影をしていると海自の方に声を掛けられることがあります。これは、夜間のスパイ活動を警戒するためのものなので、話しかけられた際は正直に”趣味での撮影である”ということを伝えましょう。

声を掛けられたときは少しびっくりしますが、怖がらなくて大丈夫です(^^)

 

 

 

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ここまで好条件が揃っているこの自衛隊桟橋近くのスペース。

もちろん、休日には海自ファンの方々が集まる”護衛艦撮影スポット”となります。・・・とはいえ、僕が知る限り(イベントとかでない限り)人でごった返すことはないと思われます。

 

僕が訪れたのは7月の3連休。更に年に一度の大規模掃海訓練が行われる期間であったにも関わらず、護衛艦を見に来ている人の数は多いときで7~10人程度。

「え!?なんで!?なんでみんな護衛艦見に来ないの!?こんなに近くで見られるのに興奮しないの!?」と周りの人に問いただして回りたいほどでした(笑)

 

 

ともあれ、人が少ないのは嬉しいこと(*^^*)

心ゆくまでゆっくりと護衛艦を眺められます♪

 

 

 

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護衛艦の配置変更や各基地からの入港は、基本的には朝に行われます。

つまり、早朝から海自基地を訪れると航行している護衛艦を見られる可能性が高いんです。

 

僕は”海自基地めぐり”をするとき、基本的に朝イチで基地を訪れます。

この日も朝7時頃から例の自衛隊桟橋近くのスペースを訪れていました。

 

すると、沖合から基地に近付いてくる艦がちらほら・・・。

 

 

上でも少し書きましたが、僕が大湊を訪れた3連休は、年に一度の大規模掃海訓練が行われる期間だったんです!(別に狙って訪れたわけではありません。僕もこの日、地元の方に聞いて初めて知りました(;^ω^))

訓練自体は陸奥湾沖で行われるため見学することはできませんが、この訓練のために続々と入港してくる艦を見ることができました!!

 

 

掃海艦「304 あわじ」掃海艇「606 はつしま」

「あわじ」も「はつしま」も横須賀基地所属の艦艇です!!

 

 

 

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「あわじ」や「はつしま」だけではありません!

掃海母艦「464 ぶんご」「463 うらが」も入港してきました!!

 

しかもこの2隻に関しては、近くの自衛隊桟橋(桟橋を挟んで「103 ゆうだち」の隣)に並んで着岸・繋留してくれました!

 

 

巨大な掃海母艦がゆっくりと桟橋へ接近し、そこから細心の注意を払って行われる着岸・繋留作業。

 

こんな貴重な瞬間を、

こんなに間近で見られるなんて(≧ω≦)!!

 

感激すぎて過呼吸になるところでした(笑)

 

 

 

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そして撮影することができたレアシーン!!

 

護衛艦「114 すずなみ」「120 しらぬい」「103 ゆうだち」は大湊基地所属

掃海母艦「464 ぶんご」は呉基地所属

掃海母艦「463 うらが」は横須賀基地所属

海上自衛隊5基地のうち、3基地の艦艇が1枚の写真の中におさまってます!!(しかも「しらぬい」「ゆうだち」は満艦飾!)

 

 

こんな貴重すぎる瞬間、この先また見られるかどうか・・・。

写真と共にしっかりと瞼にも焼き付けた感激の瞬間でした!!

 

 

 

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護衛艦を見てテンション上がりすぎました(;^ω^)

熱を冷ますため基地を離れて少し歩きましょう。

 

訪れたのは大湊基地から少し丘を登ったところにある「北の防人 大湊」という公園施設。カフェテリアや展望台、児童図書館やイベントスペースなどがあり、休日には家族連れで賑わう憩いの公園です(^^)

 

 

上の写真の建物は「安渡館(あんどかん)

館内にはカフェテリアや売店などがあり、一息休憩する場所として最適です♪

 

 

 

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こちらは「海望館」

その名の通り海側(大湊基地側)を一望できる展望台です。

 

外観からするとそれほど高くないようにも見えますが、実際に上ってみると結構いい眺めなんです!夜景も綺麗ですよね(*^^*)♪

 

しかもこの海望館、なんと無料で入ることができます!

ここからゆっくりと海を眺めるのもまたいいものです(*´ω`)

 

 

ちなみに、海望館からほっこり海を眺めてるときにふと近付いてくる艦影を見つけて「あの艦なに!?」ダッシュ自衛隊桟橋前まで戻る!みたいなことも何回かありました(笑)

 

 

 

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カフェテリアや展望台などホッと落ち着ける憩いのスペースが多い「北の防人 大湊」ですが、実は旧日本海軍に関係する施設も多く残されているんです。

 

 

上の写真は「弐番館」(上の写真)「壱番館」(下の写真)と呼ばれる建物。

これらは戦時中、旧日本海軍 士官の「士官官舎」として使用されていました。

 

「官舎」というのは宿舎のこと。

つまりここは、旧日本海軍の偉い人たちの宿舎として使われていた建物なんです。

 

 

壱番館は廃屋となっていますが、弐番館の方は内部が改修され、現在ではサークル活動の場や展示スペースなどとして使用されています。

 

 

 

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「北の防人 大湊」の敷地を出て、少し基地側に戻ってみましょう。

すると、鉄柵に囲われた古い建物が見えてきます。

 

ここは「北洋館」

先程訪れた「安渡館」や「海望館」と名前の印象が似ていますが、ここは「北の防人 大湊」の施設ではなく海上自衛隊の施設となります。

建物の前には魚雷発射管や、2005年にその役目を終え除籍となった輸送艦「4103 ねむろ」の主錨が置かれています。

 

 

北洋館は大正5年に大湊の「水交支社」(海軍士官の社交場のこと)として建てられたものだそうです。現在では、大湊地方隊の史料館として一般公開されています。

 

 

 

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この北洋館、館内には約1000点の貴重な史料が展示されていて、普通に見て回るだけでもかなり見ごたえのある史料館となっています。

入館料などはかからず無料で入れるのですが、無料で見て回っているのがなんだか申し訳なくなってくるほど。

 

本当に貴重な史料ばかりで、旧日本海軍に興味のある方なら1~2時間ほどは出てこられないのではないでしょうか。実際僕も1時間半出てこられませんでした(笑)

 

 

 

ちなみに北洋館は、大湊地方隊における”艦艇見学(艦艇一般公開)”に参加する際の集合・解散場所にもなっています。艦艇見学の前や見学の後、少し時間を作ってぜひ北洋館に入ってみてください!大湊警備府や海上自衛隊 大湊地方隊を知るうえで非常に有意義な施設となっています(*^^*)

(見学には規則がありますので、行かれる際は必ず「海上自衛隊 大湊地方隊ホームページ」を確認してください)

 

 

 

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そうそう。旧日本海軍の軍人さんの中で僕の1番好きな人が北洋館で紹介されているので、ぜひお話しさせてください。

 

 

この人は木村昌福 少将」

軽巡洋艦 阿武隈の艦長で、旧日本海軍史の中でも屈指の難作戦キスカ島撤退作戦」を成功させた人物です。

 

敵軍に包囲され、完全に孤立したキスカ。そこにはまだ約5200人の日本兵が取り残されています。その日本兵を助け出す作戦がキスカ島撤退作戦」でした。

目的地のキスカ島周辺には日本の救助艦隊を迎撃するための敵軍の大艦隊が今か今かと待ち構えています。しかも「キスカ島撤退作戦」が発令されたのは、日本軍が大敗したミッドウェー海戦の翌年1943年。日本にはもう雀の涙ほどの戦力しか残っていませんでした。極小の戦力で大艦隊の包囲網を突破し、更に救出活動をして、日本に帰還する。文字通り絶望的な作戦でした。

そんな絶望的な作戦の指揮を任されたのが木村昌福 少将でした。

正面から突っ込んでも勝機は無い。相手の目を欺くために、木村少将は海上に濃霧(視界ゼロになるほど濃いもの)が発生するのを何日間もじっと待ち続けます。しかし、時間だって無限にあるわけではありません。こうしている間にも、キスカ島に残された日本兵目掛けて敵軍が攻め込むかもしれません。やがて部下たちから「作戦を強行しましょう!」と声が上がり始めます。痺れを切らした軍上層部からも「早くしろ!」と催促され始めます。催促や非難は日に日に大きくなっていきました。それでも、木村少将はじっと濃霧を待ち続けました。

1943年7月29日。ついに待ちに待った濃霧が発生します。木村少将は艦隊を率いて直ちにキスカ島へ突入。わずか1時間という短時間で約5200人全ての日本兵を収容し、全速力でキスカ島を離脱。絶望的な作戦であった「キスカ島撤退作戦」を見事成功させたのでした。

 

この間、奇跡的に敵艦隊に発見されることはありませんでした。なので、敵との戦闘行為は行っていません。敵側にも味方側にも、死者はおろか、一滴の血さえも流れずに「キスカ島撤退作戦」は成功したのです。

 

キスカ島撤退作戦」は後に「奇跡の作戦」と呼ばれ、作戦を成功に導いた木村昌福 少将は昭和天皇に拝謁する名誉を受けたそうです。

 

 

 

 

 

「帰ろう。帰ればまた来られるから。」

 

この言葉は、いざ作戦開始と出撃したものの、濃霧が出ていなかった為その日の作戦遂行を断念し引き返そうとしたとき「これ以上待ってられない!このまま強行突入しましょう!」と苛立つ部下たちを諭すために発せられた言葉だそうです。

 

 

 

実は木村少将を知るまで、僕は「旧日本軍はみんな玉砕主義の、血も涙もない鬼のような人ばかりなんだ」と思い込み、旧日本軍を嫌悪していました。でも木村少将のことを知って、ここまで冷静に状況を判断し、催促や非難に耐え、優しく部下を諭せる人もいたんだと知りました。

木村少将は僕の旧日本軍のイメージを変えてくれた人なんです。

僕が艦これや海自を通して旧日本海軍や戦争のことを知り、そのうえで改めて平和学習をしていこうと思えたのは、木村少将のことを知ったからかもしれませんね(*^^*)

 

 

 

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では最後に「大湊に来たなら絶対見ておかなきゃね!」という場所に向かいましょう!

 

ここは「北の防人 大湊」からもう少し山側へ登ったところにある旧日本海軍の史跡「沈澄池堰堤(ちんちょうちえんてい)です。

 

海軍専用の水道施設として造られたもので、この池に宇田川と大湊川から水を流し込み、そのまま溜めることで土砂を沈殿、清浄化させ、綺麗になった水を下流に建てられた水槽に送水していました。

こうして作られた水は、艦船を動かすための真水や官舎・大湊警備府の生活用水としても使用されていたそうです。

 

 

周囲の木々の色付きと共に四季折々の表情を見ることができ、大湊のシンボルスポットとして愛されています(*´ω`)

 

 

 

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記事を締める前に腹ごしらえ(≧ω≦)

大湊に来たならやっぱり「おおみなと 海自カレー」食べないとね!!

 

海自の街ではお馴染みの海自カレー。もちろん大湊にもあります♪

 

 

「ああ、呉の海自カレーの大湊版?(´▽`*)」と、思ったあなた。

 

 

はっきり言おう・・・。

呉 海自カレーとは

別物と考えた方がいい(<●><●>)

 

 

 

もちろん”海自カレー”という括りでは呉の海自カレーと同じです。

しかし、呉 海自カレーとはしっかり差別化されているのが「おおみなと 海自カレー」のすごいところ!

 

上の写真を見て気付くことはありませんか?

そう、どれもテッパンなんです!!

 

 

 

呉で海自カレーを食べたことある人ならわかるかと思いますが、「呉 海自カレー」はそのほとんどが”お皿”で出される一品料理ですよね!付いてもサラダくらい。

 

でも、「おおみなと 海自カレー」はそのほぼ全てが”テッパン”で出てくるんです!

サラダが付くのは当たり前。そこから更に揚げ物に卵にデザートに、と一食いただくだけでお腹いっぱいになります(;^ω^)

 

その代わり、呉の約30種類に対して大湊は約10種類と数は少なめ。

種類で勝負の呉、品目で勝負の大湊!といった感じでしょうか。(別に戦いじゃないんですけどねw)

 

 

 

とはいえ、こうして呉と比較するかのように書いてますが、海自カレーが美味しいのは大湊も呉も同じ(*^^*)

1度の旅では到底制覇できそうにないので、大湊にもくり返し訪れる必要がありますね!

 

 

 

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いかがだったでしょうか。

 

 

北方の海を護っていた大湊警備府。そして、今も護り続けてくれている大湊地方隊。

ここは、他4ヵ所の海自基地の街に決して負けない唯一無二の魅力と歴史が詰まったとても素敵な町なんです(*^^*)

 

 

もうはっきり言います。

海自好きは大湊行ったほうがいい!!

 

そうすれば僕のようにヘロヘロになるほど興奮できることでしょう(笑)

 

 

僕もまた大湊行かなきゃ(*^-^*)♪

 

 

 

かつて大湊警備府が置かれた地。

そして、北の海を護る海上自衛隊 大湊地方隊がある町。

青森県 大湊でした!

 

みなさんもぜひ訪れてみてくださいね!