旅のかなたに

“旅”という言葉はいろいろな事に例えられます。 見知らぬ土地へ赴くのも“旅”。 何かを極めるのも“旅”。 時には人生そのものも“旅”と例えられたりもします。 “旅”の形は人それぞれ。 “旅”の意味も十人十色。 ここは私GIN〈ジン〉が 大好きな旅を中心に 自分の好きなものを まったり書いていくブログです。 よければゆっくりしていってね(^^)

琵琶湖に浮かぶパワースポット ~竹生島~

 

日本一大きな湖「琵琶湖」

 

滋賀県のほぼ中央に位置し”近畿の水瓶”とも呼ばれてきた琵琶湖は近年、日本有数のパワースポットとしても注目を集めています。

 

 

巷では「滋賀県の1/3は琵琶湖w(※1)」「滋賀県ナメたら水止めるぞ(※2)」となにかとネタにされる琵琶湖(笑)

 

しかし、そうしたネタだけでは語りつくせない魅力が琵琶湖にはいっぱいあるんです!

 

 

 

今回の舞台は、我が故郷 滋賀県

パワースポット琵琶湖に浮かぶ更なるパワースポット竹生島(ちくぶしま)を旅していきたいと思います!

 

 

 

では、日本一大きな湖、

そしてパワースポットへ出発です(*≧ω≦*)!

 

 

 

(※1) 本当は県面積の1/6。滋賀県って意外とデカい。

(※2) 滋賀県民が京都・大阪民に対して唯一大きな態度をとれる事柄。京都や大阪の水道水のほとんどは琵琶湖から引いた水を使用していることからくる。ちなみに滋賀県はそのほとんどが近隣の山から引いた水を水道水としているため琵琶湖の水が止められてもほぼノーダメージ。

 

 

 

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竹生島へ向かう前に、まずは琵琶湖のことについて軽くお勉強しましょう!

 

ご存知の通り、琵琶湖は滋賀県にある日本最大の面積と貯水量を誇る湖です。

面積は669.26㎢、貯水量は27.5㎦、最大水深は104.1m、周囲の長さは241㎞あります。琵琶湖南側の最狭部(一番くびれた所)にかかる琵琶湖大橋を境として、北側を「北湖」南側を「南湖」と呼びます。

上にも書きましたが、その豊富な貯水量を活かして京阪神に水道水を供給しているため「近畿の水瓶」とも呼ばれています。

 

 

室町時代連歌師 柴屋軒宗長の歌にも琵琶湖のことが歌われています。

『武士(もののふ)のやばせの舟は早くとも急がば廻れ瀬田の長橋』

(京へ上るには一見、矢橋(やばせ)の港から舟に乗って琵琶湖を渡る方が早いように思えるが、風の影響で遅れたり危険を伴ったりするため、瀬田の唐橋までぐるっと南下して行った方が確実である)

この歌から急がば回れということわざが生まれました。

急がば回れ。元は「急ぐなら琵琶湖を回って行け」という意味だったんですね(^^)

 

 

そしてあまり知られていませんが、琵琶湖は世界に20ほどしかない”100万年以上前から存在する湖”、いわゆる「古代湖」のひとつなんです。古代湖の中では13番目に古い湖だそう。ちなみに日本国内で古代湖に指定されている湖はなんと琵琶湖のみ!

世界的にも有名な湖のひとつなんです。

 

 

 

滋賀県で生まれ育った身としては当たり前に身近にあるものだと思っていたのですが、実は琵琶湖ってすごい湖だったんですね(*^-^*)

 

 

 

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琵琶湖についてちょっぴり詳しくなったところで、いよいよパワースポット 竹生島へ向かいましょう!

 

竹生島に向けて橋は架かっていないので、島へ渡る際には船に乗ることが必須となります。竹生島への航路を開いている港は下の3ヵ所です。

①今津港

②長浜港

彦根

 

もちろんどの港から乗船しても竹生島へは渡れるのですが、料金や乗船時間は少しずつ異なるので旅の日程やその他行先へのアクセスを考慮しつつ選択することをお勧めします。

ちなみに、京阪神からのアクセスの場合は①今津港が、愛知・岐阜方面からのアクセスの場合は②長浜港または彦根がおススメのようです。

 

①今津港の近くには「高島のメタセコイア並木」②長浜港の近くには長浜城「黒壁スクエア」彦根の近くには彦根城などの観光スポットもありますので、竹生島とともに合わせて訪れてみるのもいいかもしれません♪

 

 

僕はこの日の旅程を考慮して長浜港から乗船することにしました!

 

 

 

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クルーズ船に乗船し竹生島へ向けて出航!!

 

長浜港を出て程無くすると船の真後ろに滋賀県の最高峰伊吹山が見えてきました!

この日は天気が良かったので雪を被った山頂まではっきり見えますね(^^♪

 

長浜港から竹生島へは片道約30分

ほぼ直線で航行するのにも関わらず結構時間がかかるんです。

やっぱり琵琶湖ってデカい!!改めてその大きさを痛感します。

 

 

ちなみに僕が琵琶湖を訪れたのは真冬。

晴れているとはいえ、湖上の低気温と強風により甲板はまさしく極寒となっていました。が!そこは「船に乗るなら甲板一択やろ!!」と豪語する僕。30分の航行の間、震えながらも甲板からの景色を目一杯堪能してました!

 

 

 

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やがて、船の前方に小さな島が見えてきました。 

この島こそ、パワースポット・・・竹生島!!

 

 

竹生島は琵琶湖の北部に浮かぶ面積0.14㎢の小さな島(それでも琵琶湖に浮かぶ島の中では2番目に大きい)です。島には宝厳寺というお寺が建立されており、島のほぼ全体がこの宝厳寺の境内となっています。そのため人は住んでおらず、夜間は無人島となります。

 

 

では、そんな小さな島がなぜパワースポットと呼ばれるようになったのでしょうか?

それを説明するためには、時間を1200年ほど遡ることになります。。。

 

 

 

神亀元年(724年)、当時の天皇 聖武天皇は夢枕に立った天照大御神よりあるお告げを受けます。

「江州(滋賀のこと)の湖中に小島がある。その島は弁才天の聖地であるから、寺院を建立せよ。すれば、国家泰平、五穀豊穣、万民豊楽となるであろう。」

このお告げを受けた聖武天皇は僧 行基を遣わして堂塔(後の宝厳寺)を開基させ、そこにご本尊として弁才天像を安置させました。それ以来、竹生島には天皇行幸(天皇のお出ましのこと)が続き、伝教大師弘法大師なども修行をしに来られたということです。

 

 

 

つまりわかりやすく言うと、

竹生島天照大御神お墨付きの弁才天の聖地”なんです!

 

 

七福神の一柱で富・名誉・福寿・縁結び・音楽・芸能などを司る神として広く有名な弁才天そのうえ、天照大御神が直々に聖地として指定された島なのですから”パワースポット”として人気を集めるのも頷けます。

 

 

小さい島ながら、なかなかビッグな物語を秘めているのが竹生島なんですね(*´ω`)

 

 

 

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船が港に到着し、いよいよ竹生島へと降り立ちます。

すると、湖上を進んでいた時には晴れ渡っていた空が一変。島に足を踏み入れた瞬間、大粒の雪が降り始めました。

 

 

単純に竹生島周辺の天候が変わっただけなのでしょうけど、場所が場所なだけに何か人智を超えた力のようなものを感じてしまいます。。。

 

 

実際、竹生島の空気は街中や職場といった日常生活の中で感じる空気とは全く違っていました。ピンと張り詰めた、荘厳で神秘的な空気。その空気に圧倒されたのか、思わずしばらくの間身体を強張らせたまま立ち尽くしてしまいました。

 

 

 

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拝観料(大人 400円)を払い、宝厳寺の敷地内に入ります。

 

竹生島全体的に急な斜面で形作られた島なので平地はほとんどありません。平らで大きな地面が広がっているのは船着き場くらい。

境内を巡るほとんどの道が石段や上下にうねった道となります。

 

 

拝観料を払い受付門をくぐると、目の前に長い長い石段が立ちはだかります。

この石段は「祈りの階段」と呼ばれ、165段の石段が宝厳寺の本堂まで続いています。段数が多いうえに傾斜が急なところもあるので登る際、降りる際には十分注意しましょう。

 

 

 

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祈りの階段を登りきった先、一際大きなお堂が姿を現します。

 

ここが宝厳寺「本堂(弁才天堂)」です。

この中に本尊の弁才天像が安置されています。

 

宝厳寺に祀られている弁才天像は神奈川の江ノ島広島の厳島と並ぶ「日本三弁才天のひとつで、その中でも最も古くに建立された弁才天なのだそうです。そのため、ここ竹生島弁才天のみ名前の前に「大」の字を付け「大弁才天と呼ばれています。

よく見ると堂前の提灯にも「大辯(弁)才天」と書かれていますね!

 

 

舞い散る雪の中で静かに佇む本堂は本当に息を飲むほど美しく、しばらくの間思わず見惚れてしまうほどでした。

 

 

 

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本堂から更に石段を上がると「三重塔」に辿り着きます。

宝厳寺の三重塔は江戸時代初期に一度消失しているそうで、今ここに建てられているのは再建された三重塔だそうです。

 

普段、内部は非公開となっているため柵の外から見上げることしかできませんが、それでもこちらに覆いかぶさってくるような迫力には圧倒されます。

 

 

ちょうど雪も止み天気も回復してきました。

三重塔の朱色と重なる三枚屋根が青空に映えますね!

竹生島で撮った写真の中でも特に気に入っている一枚です(*^^*)

 

 

 

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三重塔から少し降りてきました。

すると、目の前に黒地に金の装飾が美しい大きな建築物が見えてきます。

 

こちらは「唐門」と呼ばれる建築物。国宝に指定されています。

豊臣秀吉を祀る京都東山の豊国廟に建っていた「極楽門」豊臣秀頼の命によってここ竹生島に移築したものだそうです。

唐門をくぐり中に入るとそのまま観音堂へと続いています。

 

ちなみに”唐門”とは”唐破風を持つ門”という意味。

その名の通り、破風(屋根のすぐ下に取り付けられた板)には美しい金の唐装飾が施されていますね。豪華絢爛を極めた桃山様式の特徴が見てとれます。

 

 

残念ながら、僕が訪れたときは保存修理中だったため板の仮入り口が組まれていました。保存修理を終えた後の”完全版 唐門”もぜひ見てみたいですね(*≧ω≦*)

 

 

 

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唐門をくぐり観音堂を抜けると、木造の渡り廊下に辿り着きます。

 

こちらは「舟廊下」と呼ばれる渡り廊下で、重要文化財に指定されています。

 

一見普通の渡り廊下に見えますが、実はこの木製廊下、朝鮮出兵を行った際に秀吉が乗船した船「日本丸」の船櫓(ふなやぐら、甲板のこと)を利用して造られたものだそうです。なので”舟廊下”という名称が付いてるんですね!

 

舟廊下を外側から見てみると、木の柱が組まれていて廊下部分は地面から3メートルほどの高さに造られていることがわかります。

 

 

 

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舟廊下は観音堂からの渡り廊下です。

では、観音堂と何を繋ぐ渡り廊下なのでしょうか?

 

その答えがこちら。

舟廊下は観音堂とその先の「都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ)の本殿とを繋ぐ渡り廊下なのです。

 

都久夫須麻神社は竹生島の東側に位置する神社で、本殿は先程の宝厳寺 唐門と同じく国宝に指定されています。ご神体は竹生島そのものだそう。

竹生島の観光案内などには「都久夫須麻神社」と記載されていますが、普通に「竹生島神社」と呼ばれることもあり、どちらの呼び方でも問題ないようです。

 

 

陽を浴びてどっしりと構える本殿は”立派!”の一言。

この、もの言わせぬ佇まいが「かっこいい!!」と思えてしまうのは僕だけでしょうか?( *´艸`)

 

 

 

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都久夫須麻神社 本殿の目の前には竜神拝所」という場所があります。

 

ここでは、かわらけ(平皿のような形をした土器)に願い事を書き、湖面に突き出た宮崎鳥居に向けてかわらけを投げる「かわらけ投げ」をすることができます。

投げたかわらけが鳥居をくぐれば書いた願い事が叶う、と言われているそうです。

 

 

また、竜神拝所からの眺めは竹生島の中で一番の絶景”と言われています。

 

ここからゆっくりと琵琶湖を眺めてみました。。。

 

 

竹生島に降り立った時に降っていた大粒の雪はすっかり止み、青空からの明るい光が湖面を煌めかせる。かと思えば、写真右奥の空は未だどんよりと厚い雲に覆われていて、おそらくその雲の下では雪が降っている。

・・・なんだか、世界が塗り替えられていく瞬間を見ているかのよう。

 

美しくもどこか不思議な光景に出会うことができました。

 

 

 

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帰りの船の時間が近付いてきたので船着き場へ戻ります。

その道中。祈りの階段を下っているときのことでした。

 

木々の間を抜けようとしたその瞬間、琵琶湖から吹いてきた風がザーっと辺りの木を揺らし、僕はふと立ち止まって注意を払うため足元へと落としていた視線を上げました。

すると、(写真ではわかりづらいのですが)目の前のひらけた空中に風によって木々の葉から舞い上げられた無数の細かな水の粒が舞い、それが陽の光を受けてまるでダイヤモンドダストのようにキラキラと煌めいているのが見えました。

 

それがもう美しくて美しくて・・・。

 

しばらくの間、何も考えることができずその無数の煌めきにただただ見惚れていました。

 

 

この煌めきを見た瞬間、なんだか竹生島の神様に応援されているような気がして。。。

今日、ここへ来て本当に本当に良かった、そしてぜひまた来たいと思えたのでした。

 

 

 

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いかがだったでしょうか。

 

小さな島ではありますが、そこからは想像もできないほどの貴重な文化財や歴史が詰まった琵琶湖に浮かぶパワースポット 竹生島。僕自身、竹生島を訪れるのは初めてでしたが、神秘的なパワーや温もりを確かに感じられるとても素敵な場所でした。

 

 

 

我が故郷 滋賀県

まだまだ僕の知らない魅力がいっぱいあるんだと実感できる有意義な旅になりました(*^-^*)

 

この記事を通じて、竹生島はもちろん、滋賀県や琵琶湖にも少しでも興味を持ってもらえたなら幸いです。滋賀イイよ滋賀♪

 

 

貴重な歴史と文化財が詰まった島。

そして、琵琶湖に浮かぶパワースポット。

滋賀県 竹生島でした!

 

みなさんもぜひ訪れてみてくださいね!